フットサル名称の由来
サッカーを表す「fútbol(スペイン語)」・「futebol(ポルトガル語)」と、室内を表す「salón(スペイン語)」・「salão(ポルトガル語)」の合成語。スペイン語の「fútbol de salón(フットボール・デ・サロン、意味は「室内で行うサッカー」)」の名称が、いつの間にか短く略され、「フットサロ」→「フットサル」と変化して、全世界で定着していった。
歴史
フットサルの起源には二つある。
まず、一つは南米を中心に発展してきたサロンフットボールである。サロンフットボールとは弾まないボールのことで、「サロンフットボール」は、1930年にウルグアイで考案された。また、ブラジルでも同様のものが考案された。最初の統一ルールは、サンパウロで出版されたものとされている。サロンフットボールは、その後南米全域へと広まっていった。
1965年からは南米選手権が開催され、1979年まで続けられた。1961年には、国際サロンフットボール連盟(FIFUSA:Federación Internacional de Fútbol de Salón: International Futsal Federation)が設立され、1982年に世界サロンフットボール選手権がサンパウロで開催された。後に、世界フットサル協会(AMF:Asociación Mundial de Fútbol de Salón: World Futsal Association)となった。
もう一つは、サッカーの母国イギリスより発祥して、ヨーロッパやアメリカ、オーストラリアなどに広まったインドアサッカーである。インドアサッカーは普通のサッカーと同じボールを使って、壁も使って行われる競技である。ルールや名称も国々によってまちまちで、スペインではフットボール・サラ、ドイツではハーレン・フースバル、イタリアではカルチェット、オランダでザールと呼ばれるものがそれに当たる。ヨーロッパでは、ザールのルールを元にしてUEFAがインドアサッカーのルール統一を図った。
FIFAは、こうしたミニサッカーが世界中に広まるのをみてルールの統一を始める。1989年には初の世界大会をオランダで開催した。第2回の大会は香港で開催され、FIFAとFIFUSAによるルールの統一化が図られた。
このときのルールの問題点を改正し、1994年より競技名を「フットサル(FUTSAL)」と改められた。
ルール
ピッチ(第1条)
- 大きさ 縦38-42m×横18-25m (国際大会)
- ラインの幅: 8cm。
- ピッチの外縁: 境界をラインでマークし、長い方をタッチライン、短い方をゴールラインとする。
- ピッチの中央部: ピッチを半分ずつに分けるハーフウェーラインを引き、その中心にセンターマーク。さらにセンターマークを中心にして半径3mの円をしるす。
- ハーフウェーライン: ピッチを半分ずつに分ける線
- ペナルティエリア: それぞれのゴールポストを中心に半径6mの四分円を描きそれぞれの端を結ぶ。
- ペナルティマーク: ゴールポストの中央から6m地点。
- 第2ペナルティマーク: ゴールポストの中央から10m地点。
- コーナーアーク: それぞれのコーナーの半径25cmの四分円を描く。
- 交代ゾーン: フットサルは試合中の交代が認められる。この時、交代を行なうエリア。
- ハーフウェーラインからそれぞれ5m地点から始まり長さ5m幅80cmのエリア。長さ80cmのマーキングで示す。
- ゴール: 高さ2m×幅3m×奥行き1m
- ピッチの表面: 滑らかかつ平坦なものとされている。天然芝、人工芝は国際大会では認められていない。
ボール(第2条)
- ボール
- 大きさ: 62-64cm(外周)
- 重さ: 400-440g
- 空気圧: 0.4-0.6気圧。高さ2mの地点から落下させたときのバウンドが50-65cmでなければならない。
- 形: 球形
- 材質: 皮革等。国際大会ではフェルト製のものは認められない。
競技者の数(第3条)
- 人数
- 競技者は5人以下。そのうち一人はゴールキーパーである。
- 交代要員は最大7人までとする。
- 交代
- 交代の数は制限されない。
- 交代は交代ゾーンより行なわれる。
用具(第4条)
- ジャージまたはシャツ
- パンツ
- ソックス
- すね当て
- シューズ
- トレーニングシューズまたは、体育館用のシューズであること。スパイク付きは使用できない。また靴の裏が体育館シューズのようになっているフットサル用シューズなるものも存在する。
審判(第5、6、7条)
- 主審
- 第2審判: 主審と反対側のサイドで主審の手助けをする。
- タイムキーパー: フットサルはアウトオブプレーになったとき、試合再開時まで止める。ピッチの外でストップウォッチを操作する。
- 第3審判: タイムキーパーの手助けをし、反則数のカウントなどを行う。
試合時間(第8条)
- 前後半の20分の計40分で行われる。
- 前後半1回ずつ1分間のタイムアウトを要求できる。
- 時間内に決着しなければ延長戦を行なうことが出来る。延長戦ではタイムアウトはできない。
- 延長戦でも決着しない場合はPKで勝敗を決める。
プレーの開始および再開(第9条)
- キックオフ若しくはドロップボールで試合が開始、再開される。
インプレーおよびアウトオブプレー(第10条)
- アウトオブプレー
- ボールが完全にラインを越えた場合(ボールが地上・空中であるかは問わない)。
- 主審が停止した場合。
- ボールが天井に当たった場合: キックインにより再開される。
得点の方法(第11条)
ボール全体がゴールポストとゴールバーの間でゴールラインを完全に越えた場合。
ファウルと不正行為(第12条)
- キッキング
- 相手を蹴る行為。
- トリッキング
- 相手をつまずかせる行為。
- ジャンピングアット
- 相手に飛び掛る行為。
- ファウルチャージ
- 不当にチャージする行為。
- ストライキング
- 相手を殴る、または殴りかかろうとする行為。
- プッシング
- 相手を押す行為。
- ホールディング
- 相手を押さえつける行為。
- スピッティング
- つばを吐きかける行為。
- スライディング
- 相手がボールをプレーしているか、しようとしているときにスライディングを行なう行為。ただし、ペナルティエリア内でのゴールキーパーのスライディングは過剰な行為でない限り反則にならない。
- ハンドリング
- ボールを故意に手または腕で扱う行為。
- 間接フリーキックが与えられるファウル
- ゴールキーパーが保持していたボールを離した後、ハーフウェーラインを越えるか相手側のプレーヤーに当たる前に、ボールをゴールキーパーが受ける行為。
- ゴールキーパーがバックパスを手で受ける。
- キックインしたボールを直接ゴールキーパーが手で受ける。
- ゴールキーパーが自陣でボールを4秒を超えてコントロールする。
フリーキック(第13条)
- 直接フリーキック
- ボールが直接ゴールに入った場合は得点となる。
- 間接フリーキック
- ボールがゴールに入る前に、蹴った競技者以外に触れた場合のみ得点となる。
累積ファウル(第14条)
前後半でそれぞれ計5つまで直接フリーキックとなるファウルを記録する。
- ファウルが5つまで
- フリーキックのときに壁を作る事が出来る。
- フリーキックの地点から5m離れなければならない。
- ファウルが6つ目を超えてから
- フリーキックのときに壁を作れない。
- ゴールキーパーは、ペナルティエリア内でフリーキック地点から5m離れなければならない。
- フリーキックが行なわれたのち、ゴールキーパーが触れるか、クロスバー、ゴールポストに当たるあるいはボールがピッチ外へ出るまで他のプレーヤーはボールに触ることができない。
- 自陣の第2ペナルティマークより前方でファウルを犯した場合は、相手は第2ペナルティマークからフリーキックを行なう事ができる。
ペナルティキック(第15条)
直接フリーキックが与えられるファウルを、ペナルティエリア内で防御側プレーヤーが犯した時に行なう。
- ペナルティエリアからキックを行なう。直接ゴールに入れる事ができる。
- 他のプレーヤーが触れるまで、キッカーはボールに触る事ができない。
ボールがタッチラインを超えたときにおこなう。ボールが外に出たタッチライン上よりボールを蹴る。
ゴールクリアランス(第17条)
ゴールラインを割ったときに最後に触れた選手が攻撃側だった場合、守備側のゴールキーパーがペナルティエリアの任意の地点からボールを投げる。直接ゴールに入れても得点とはならない。
コーナーキック(第18条)
ゴールラインを割ったときに最後に触れた選手が守備側だった場合、フィールドの角を示すコーナーポストの位置から相手に邪魔されない形でキックすることができる。直接ゴールを狙ってもよい。
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